表4.ビタミン様化合物 


名称(別名)[略記号]

発見または命名

作用など

ビタミンF

1927
多価不飽和脂肪酸 [PUFA]
(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸など)。
必須脂肪酸なのでビタミンから除外。

コリン

1932
抗脂肪肝因子。
アセチルコリンとして神経伝達に関与。
リン脂質の構成成分として体内に存在。

イノシトール

1940
抗脂肪肝因子。
欠乏によりマウスで脱毛。
微生物の増殖因子。
リン脂質の構成成分として体内に存在。

p-アミノ安息香酸 [PABA](ビタミンBx)

1941
微生物の増殖因子として発見。
ネズミの抗灰髪性因子。
葉酸の構成成分などとして体内に存在。

カルニチン
(ビタミンBt)

1944
昆虫の成長因子として発見。
脂肪酸代謝に関与。
体内合成される。

ビタミンP

1945
毛細血管透過因子として発見。
既知のルチン、ヘスペリジン。

リポ酸
(チオクト酸)

1945
ピルビン酸脱炭酸酵素の成分として発見。
腸内細菌が産生。

オロット酸
(ビタミンB13)

1948
ネズミの成長因子として発見。
ピリジンヌクレオチド生合成中間体。

ビタミンU

1950
抗潰瘍因子。
塩化メチルメチオニンスルフォニウム。

パンガミン酸
(ビタミンB15)

1951
細胞呼吸促進因子。
体内合成される。

ビオプテリン

1955
人尿から分離。
フェニルアラニン水酸化酵素の補酵素。
神経伝達物質の遊離など。
体内合成される。

ユビキノン
(コエンザイムQ) [ CoQ ]

1957
心筋と微生物から発見。
電子伝達因子、抗酸化作用。
体内合成される。

ピロロキノリンキノン[ PQQ]

1979
微生物の酸化還元酵素の補酵素として発見。
他の酵素の補酵素としても機能。
ネズミで欠乏症(皮膚荒れ、成長不良)。

太字で下線をつけたものは、ビタミンとして取り扱われている場合もあります。
また、β-カロテンは、プロビタミンAですが、抗酸化作用があり、ビタミンC,ビタミンEと共同して活性酸素の除去に役立つので、よく抗酸化ビタミンと呼ばれています。
さらに、プロスタグランジンもビタミンの一種と考えられたことがありますが、アラキドン酸から生合成されることが分かり、除外されました。


©「ビタミンの日」委員会,2004